どうして電気代がこんなに高いの?
「無駄遣いしないように気をつけているのに、なぜか電気代が下がらない・・・」
──それは、あなたのせいではありません。
実は電気代が高騰するのには、大きな理由が2つあるのです。
この章では、相棒のデンキトリがその謎を分かりやすく解説します!

みんなを悩ませる電気代のナゾ、ぼくが解き明かしてみせるよ!
理由1:燃料の価格が上がっているから
日本の電気の多くは「火力発電」で、石炭や天然ガスなどの燃料を燃やして作られています。
この燃料、実はそのほとんどを海外からの輸入に頼っているんです。
最近、世界中で色々なことがあって、この燃料の価格がジェットコースターのように変動しています。
そして、燃料費が上がれば、それから作られる電気の値段も上がってしまうというわけです。
この燃料の価格変動は「燃料費調整額」として、毎月の電気代に反映されます。
これが、電気代が高くなる1つ目の大きな理由です。
運良く今(2025年9月)は少し落ち着いていますが、この仕組みがある限り、いつまた悪夢のような請求書が届くか分かりません。
だからこそ、私たちはこの制度をきちんと理解し、価格変動のリスクに強い電力会社を選ぶなどの対策を立てる必要があるのです。



例えば、東京電力エリアの単価(1kWhあたり)を見てみると、2021年9月は「-0.18円」で、むしろ電気代が安くなってたんだ。でも、その1年半後の2023年1月には「+12.24円」まで跳ね上がったんだ!



当時、仮に月に300kWh使う家庭だとすると、この「燃料費調整額」だけでひと月あたり約3,700円も負担が増えた計算になるね。
燃料費調整額について
パン屋さんで例えてみましょう。
パン屋さんが「うちのパンは、小麦粉1kgあたり100円を基準に値段を考えます」と、基準を決めているとします。
でも、実際の小麦粉の値段は月によって80円になったり120円になったりしますよね。
その基準との差額分を、パンの値段から引いたり(-20円)足したり(+20円)する調整を加えます。
電気代もこれと全く同じで、電力会社が決めた「基準燃料価格」と、実際の「平均燃料価格」の差が、毎月の料金に反映されています。



燃料の価格次第で電気代が勝手に上がったり下がったりするってことなんだ。
理由2:毎月払っている「未来への応援料」があるから
電気の請求書をよーく見ると、「再生可能エネルギー発電促進賦課金」という、呪文のように長い言葉が書いてありませんか?
これは、太陽光や風力となどでクリーンな電気を増やすための「応援料」で、電気を使う人全員で負担しています。
この応援料は年々少しずつ上がっていて、電気代を押し上げる2つ目の理由になっています。



この応援料も、実は毎年じわじわ上がってて、制度が始まった2012年度は1kWhあたり「0.22円」だったのが、2025年度(2025年5月分から)は「3.98円」に。なんと18倍にもなってるんだ!



これも月に300kWh使う家庭で計算すると、 当初は月々66円の負担だったのが、今では月々1,194円になってるんだよ。
理由3:電気料金の「本体価格」そのものが値上げされたから
そして、最も根本的な理由が、電気料金を構成する「基本料金」や「電力量料金」の値上げです。
「どうしてそんなことになったの?」と思いますよね。
実は、以前は「燃料費調整額」に上限が設けられていたのです。
もう一度、パン屋さんの例で見てみましょう。
パン屋さんが「小麦粉がどんなに値上がりしてもパンの値段に上乗せするのは+20円までです」という上限ルールを設けられていたとします。
ある日、実際の仕入れ値が基準より+50円も高騰してしまいました。
しかし、ルールがあるのでパン屋さんは+20円しか上乗せできず、パンが1個売れるたびに30円の赤字になってしまいます。
電力会社も、これと全く同じ「逆ザヤ」という異常事態に陥り、実際に多くの会社が過去に例のない経営危機に直面しました。



このままじゃ、みんなに電気を安定して届けられなくなっちゃう!って電力会社が国にお願いして、料金プランそのものを値上げさせてもらったんだ。



僕たちの生活も大変だけど、電気を安定して届けるための苦渋の決断だったんだね。
実際に、2023年には多くの大手電力会社が、この「基本料金」や「電力量料金単価」を大幅に値上げしました。
これが、燃料費調整額が落ち着いている現在(2025年9月)でも維持されていて、電気代高騰の一番大きな原因になっているのです。
そもそも電気代って何で決まるの?料金の内訳を分かりやすく解説
毎月何気なく支払っている電気代ですが、その請求書がどんな項目でできているかじっくり見たことはありますか?
なんだかよく分からないし、きちんと確認したことがない方がほとんどではないでしょうか。
実は、電気料金は大きく分けて4つのパーツでできています。
ここを理解することが、賢い節約への第一歩です。



一つずつ見ていこうね
①基本料金
電気をどれだけ使っても毎月固定でかかる料金です。
スマホの回線の基本料のようなもので、契約しているアンペア数(A)によって金額が変わります。
② 電力量料金
実際に使った電気の量(kWh)に応じてかかる料金です。
たくさん電気を使えば高くなり、節約すれば安くなる、最も分かりやすい部分ですね。
③ 燃料費調整額
前の章で詳しく解説した、ジェットコースターのような変動部分です。
電気を作るための燃料の価格によって、毎月プラスになったりマイナスになったりします。
④ 再生可能エネルギー発電促進賦課金
先ほど解説した「未来への応援料」のことで、クリーンな電気を増やすために、電気を使うみんなで少しずつ負担している料金です。



日々の工夫でコントロールできるのは②の「電力量料金」の部分なんだ!ここをいかに減らすかが、腕の見せ所だチュン!
まずは現状把握〜あなたの家の電気代、平均より高いかも?〜
電気代の節約を始める前に、まずは「自分の現在地」を知ることが大切です。
あなたの毎月の電気代は、同じような世帯と比べて高いのでしょうか、それとも安いのでしょうか?
ここでは、総務省統計局が発表している家計調査(2024年)のデータを元に「一人暮らし」「二人暮らし」「四人暮らし」の電気代が、一年を通じてどのように変動するのかをお見せします。
ご自身の世帯に一番近いものを選んで、請求書と比べてみてください。
──もちろん、この平均額はあくまで一つの目安です。
お住まいの地域や建物の種類(マンションか戸建てか)、オール電化かどうか、リモートワークの有無と頻度、使っている家電などによって電気代は大きく変わります。
あくまでも参考の数値としてみてくださいね。



もし平均より高くても、落ち込まないでね。家の状況にもよるし、高くてもこれから電気代を安くできる「のびしろ」がたくさんあるってことだから!
【一人暮らし】の場合
- 年間平均額: 約7,800円
- ピーク時期(冬): 平均 約9,200円
- 比較的安い時期(春・秋): 平均 約6,500円
【二人暮らし】の場合
- 年間平均額: 約12,150円
- ピーク時期(冬): 平均 約15,300円
- 比較的安い時期(春・秋): 平均 約10,200円
【四人暮らし】の場合
- 年間平均額: 約14,500円
- ピーク時期(冬): 平均 約18,200円
- 比較的安い時期(春・秋): 平均 約12,300円
(出典:総務省統計局 家計調査 2024年)
あなたの電気代、どうでしたか?
ご自身の世帯と比べてみて、いかがでしたか?
もし、あなたの電気代がピークの時期にこの平均額を大きく超えている、あるいは安い時期でもあまり下がっていなくても、落ち込まないでください。
それは、これから紹介する節約術で、電気代を大きく下げるチャンスがあるということです!
次の章から、そのための具体的で効果的な方法をたっぷりご紹介していきます!
今日からできる!効果絶大な節約術13選!
お待たせしました!ここからは、僕(かいぬし)が実際に試して「これは効く!」と感じた、具体的で効果的な節約術をご紹介していきます。
難しいことはありません。今日からすぐに始められることばかりなので、ぜひ試してみてくださいね。



かいぬしと一緒に効果があったものだけを厳選したよ
エアコンのフィルターを月2回掃除する
「面倒くさい…」と感じて、つい後回しにしがちなエアコンのフィルター掃除。
実は、これが最も手軽で効果の高い節約術の王様なんです。
なぜなら、フィルターがホコリで詰まるとエアコンは空気を吸い込む力が弱まり、部屋を冷やしたり暖めたりするためにより多くのパワー(電気)が必要になってしまいます。
経済産業省のデータによると、フィルターを月に1〜2回掃除するだけで、冷房時で約4%、暖房時で約6%の消費電力削減になると言われています。
【かいぬしの体験談】
僕も一人暮らしを始めてから、正直ずっとサボっていました。
でもある日、フィルターを外してみたら、そのホコリの量にドン引き!
掃除してみたら、明らかに風の勢いが強くなっただけでなく、今まで気になっていたあのイヤなカビ臭さも少し和らいだ気がします!



エアコンの臭いの本当の原因は、フィルターの奥にあるフィンという金属部分のカビであることがほとんどなんだ。



フィルターをキレイに保つことは、このフィンにホコリ(カビのエサ)を送らないための、一番大事な予防策なんだね!
【簡単フィルター掃除 3ステップ】
専門の道具は必要ありません。僕がやったのは、たったこれだけです。
まずは表面の大きなホコリを掃除機で優しく吸い取ります。
お風呂場でシャワーをかけながら、使い古しの歯ブラシで軽くこすって細かい汚れを落とします。
カビの原因になるので、陰干しで完全に乾かしてからエアコンに戻します。



フィンの掃除は、専門的な知識も必要だから、まずは誰でも安全にできるフィルター掃除から始めてみよう!
エアコンの風量は「自動運転」が最強
電気代を気にして、エアコンの風量を常に「弱」に設定していませんか?
実はそれ、かえって電気代を高くしてしまっている可能性があるんです。
最も効率的なのは、ずばり「自動運転」です。
なぜなら、エアコンで最も電力を消費するのは、ファンを回すモーターではなく、室温を設定温度まで下げたり上げたりする圧縮機(コンプレッサー)だからです。
自動運転は、最初に強風で一気に部屋を快適な温度にし、その後は弱風でその温度をキープするように、最も効率的な運転を自動で選択してくれます。
これにより、圧縮機の稼働時間を最短に抑えることができるのです。
【かいぬしの体験談】
僕も以前は、風が弱い方がエコだと思い込んでずっと「弱」で使っていました。
「自動運転」の方が電気代が安くなると知ってから切り替えたら、設定温度に達するまでの時間が明らかに早くなったんです。
電気代は安くなるし、部屋がすぐに快適になるので、今ではずっと自動運転にしています。



お湯を沸かす時、最初は強火で一気に沸騰させてあとは弱火でコトコト保温するよね。自動運転はこれと同じなんだチュン!最初から弱火だと、なかなか沸騰しなくて、逆にガス代がかかっちゃうでしょ?
短時間の外出ならエアコンは「つけっぱなし」にする
「ちょっとコンビニに行くだけ…」そんな時、エアコンを消すべきか悩みますよね。
実は、30分程度の外出であれば、電源をON/OFFするよりも、つけっぱなしの方が消費電力が少なくなる傾向があります。
これは、エアコンが起動時に最も多くの電力(車で言う急発進)を使い、一度部屋が冷えてしまえば、少ない電力で温度を維持できる(巡航運転)ためです。



この「つけっぱなし」と「こまめ消し」の詳しい境界線については、それだけで1本の記事になるくらい奥が深いんだ。
冷蔵庫の設定温度を「強」から「中」にする
冷蔵庫に温度設定のつまみやボタンがあるのを見たことはありますか?
もし設定が「強」になっていたら、とてももったいない状態かもしれません。
季節に応じて設定を「中」や「弱」に調整するだけで、冷蔵庫が頑張りすぎるのを防ぎ、簡単に電気代を節約できます。
環境省によると、設定を「強」から「中」にするだけで、年間で約1,910円もの節約になるそうです。
冷蔵庫の周りにスペースを確保する
一人暮らしのキッチンだと、スペースがなくて冷蔵庫の周りや上に物を置いてしまいがちですよね。
実は、それが冷蔵庫に無理をさせて電気代を上げてしまう原因になっているかもしれません。



昔の冷蔵庫は背面から熱を出してたけど、今の冷蔵庫は横や上から熱を出すタイプがほとんどなんだ。だから、周りが物で塞がれていると熱がうまく逃げられなくて、余計な電力が必要になっちゃうんだ。
メーカーによると、左右は5cm、上は10cmほどスペースを空けるのが理想とされています。
【かいぬしの体験談】
僕のキッチンも狭いので、理想のスペースを空けるのは正直難しいです。
でも、少なくとも冷蔵庫の上には直接物を置かないようにして、横も指1〜2本分くらいの隙間は確保するようにしています。



全部できなくても大丈夫!一番大事なのは、冷蔵庫も呼吸しやすいように、少しでも風通しを良くしてあげることなんだ!
冷蔵庫に物を詰め込みすぎない(7割が目安)
「食費の節約のために、お買い得な日にまとめ買い!」 これ、節約の基本ですよね。
でも、買ってきたものを全部冷蔵庫に詰め込んで、パンパンになっていませんか?
実はそれが冷気の流れを悪くして、冷蔵庫に余計な仕事をさせてしまう原因なんです。
冷蔵庫の中は物が少ない方が冷気がスムーズに循環し、効率的に冷やすことができます。



「え、じゃあまとめ買いと両立できないの?」って思ったそこのあなた!大丈夫だチュン。コツがあるんだよ!
【かいぬしの体験談】
僕も最初は「まとめ買い」と「冷蔵庫のスペース確保」の両立は無理だと思っていました。
でも、勉強してみると、実は冷蔵庫に入れなくても良い食材がたくさんあることに気づいたんです。
例えば、玉ねぎやじゃがいもは冷暗所で常温保存。きのこ類やお肉はすぐに冷凍。
こうやって「冷蔵」「冷凍」「常温」に仕分けるだけで、冷蔵室は驚くほどスッキリしました。
食材も長持ちするし、電気代も節約できる。まさに一石二鳥の発見でした!



ちなみに、冷蔵室はスペースが空いていた方がいいんだけど、逆に冷凍室はパンパンに詰まっている方が凍った食品同士が保冷剤代わりになって節約になるんだ。
炊飯器の「保温」機能は使わない
炊きたてのご飯、美味しいですよね。でも、炊飯器の使い方一つで、電気代は大きく変わってきます。
あなたのライフスタイルに合わせて、一番お得な方法を見つけましょう!
結論から言うと、最強の方法は「まとめて炊いて、すぐに冷凍→食べる直前にレンジで温める」です。
実際に、1日に3食お米を食べる場合で、電気代がどれだけ変わるのか比較したのが、こちらの表です。
(5.5合炊きIH式炊飯器、電気代は31円/kWhで計算、冷凍は冷蔵庫の電気代も考慮して計算)
毎回炊く | 長時間保温(12時間) | まとめて冷凍 | |
1日の電気代 | 約16.5円 | 約11.5円 | 約8.3円 |
1ヶ月の電気代 | 約495円 | 約345円 | 約249円 |
1年間の電気代 | 約5,940円 | 約4,140円 | 約2,988円 |
このように、最も電気代のかかる「毎回炊く」場合に比べて、「まとめて冷凍」する習慣に変えるだけで、年間で約3,240円もお得になる計算です! 3,240円あれば、美味しいランチに2〜3回は行けますよね。
さらに、「長時間保温」よりも「冷凍&レンジ」の方が、炊きたての美味しさを保てるので、まさに一石二鳥です。
【かいぬしの体験談】
僕も「毎回炊きたてが食べたい!」と思って、少量ずつ炊くこともありました。
でも、この事実を知ってからは3合まとめて炊いて、すぐに一杯ずつラップに包んで冷凍するスタイルに変えました。
食べる時にチンするだけでいつでも炊きたてみたいに美味しくて、しかも節約になる。
この方法が、僕にとっての最適解でした!



もしご飯が余るなら「炊きたてをすぐに冷凍」が、美味しさも電気代も両立できる最強の節約術だよ!
- 使わない家電のコンセントは抜く(待機電力カット) (特にテレビやPCのモニターなど、具体的な家電名を挙げる)
- 洗濯物は「まとめ洗い」を徹底し、乾燥機能は使わない (一人暮らしだと毎日洗濯しがちだが、2〜3日に1回にまとめる工夫を語る)
【少しだけ投資して、もっと節約!】
- 照明をLED電球に交換する (初期費用はかかるが、長期的に見てどれだけお得になるかを具体的に示す)
- 電源タップを「スイッチ付き」のものに変える (コンセントを抜く手間を省き、待機電力カットを習慣化する便利グッズとして紹介)
- 遮光・断熱カーテンに買い替える (夏の冷房効果も、冬の暖房効果も高める、一年中役立つアイテム)
- サーキュレーターを導入して、エアコンの効率を最大化する (エアコンの設定温度を1〜2℃変えられる、節約の最強パートナーとして紹介)
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